『錬金』を読んでみた

前作・前々作の「拝金」「成金」がそこそこ面白かったので購入。

以前の作品の続きのようだけれども展開が全く異なり、少々読みづらかったかな。

 

正直なところ印象深かったところはなかったけれども、PCが世の中に普及し始めたときのことを思い出した。

 

当時はNECの98が絶頂期で、対抗馬としてDOS/Vが他社から販売されていた。何故にあんなに98が売れたのかは分からないけど、日本の技術力の高さを信じた日本人の日本製に対する信頼感からだったのかなと今は思う。

DOS/Vも98もWindows95を乗せていたので、操作性は変わらなかったのではと思うけど、何故か98の方が勢いがあった。

 

この本を読んでいて、どうしてNECが負けたのかを考えた。もちろん理由なんて分からないけど、現在の日本におけるシャープや東芝の置かれている状況と原因は近いのではと。

 

GoogleもAppleも基本的に自社工場は持たず、ハードウェア製品は外注で対応していることと比べると、あの頃のNECはすべてを自社で賄うべく独自路線を進んでいたと思う。もちろんCPUなどは他社製品を使っていたけど、メモリなんかは自社製品だった気がする(違ったらゴメンナサイ)。

 

確かにあの時のNECはPCの分野で世界征服を狙っているかの如く勢いがあった。

 

一方IBMは他社に技術をライセンスしていたようで多様なメーカから互換PCが発売されていた。また、完成されたPCのみならずPC内の数々の部品まで様々なサードパーティ製があったので、少々マニアックな人たちは自分で部品を調達して自分仕様のPCを使っていたと思う。

そう言えばクロックアップなんてずいぶん流行った気が・・・

 

結局、勢いとともに会社自体が大きくなることで、自分たちの強みが見えなくなってしまい、時代の変化に対応しきれなくなってしまったのかななんて。

 一時の成功にしばられて、その体験に拘泥してしまったのが今の日本の状況なのかななどと感じる。IBMなんてPC事業売り払ったことを考えるとその決断力・実行力はすごいよね。

 

本当はこの本を読んでいて考えたUNIXとWindowsの関係について記録しようと思っていたんだけど、まぁいいか。今度気が向いたら改めて。

成田へ飛行機見学

連日出かけているにも関わらず、本日もお出かけ。天気が良いと家にいることが負けのような気がして。

 

朝のニュースを見ていると一日快晴のよう。「これは出かけねば」と決断して、どこに行こうか悩む。

 

最近車に乗っていなくて、先日バッテリーあがりをしてしまったため、車に乗ることを前提に思いを巡らす。

 

「そうだ成田に飛行機を見に行こう」どういう思考回路でそうなったかは分からないけど、妙に納得して家を出た。その時刻7時ちょうど。

 

東関道を走っているといつも思う。「成田までの道っていつも高級車多いよなぁ」って。

 

成田に着いてまずお気に入りの「東雲の丘」に行ってみた。ここはあまり離発着はないのだけれど、滑走路が近いから迫力がある。今日の風向きは離陸のスタートが丘側だった。

離陸のエンジン音に胸が高鳴る。

数機見送ったところで、「さくらの山公園」に移動。こちらは離発着が多いので楽しいのだけど、少し滑走路まで遠いのが残念。

それにしても日差しが強い。帽子を持ってくるのを忘れたのが痛かった。

 

十分満喫したところで、「ひこうきの丘」へ。この方向への離発着ならば、ここからの眺めが最高なはずと。

やっぱり最高だった。747の離陸も見られたし最高。あの重い機体が低い角度で離陸していくのは迫力があった。

 

日焼け止めをしてこなかったため、この時点で限界となり退散を決めた。久しぶりにここまで来たので地物を買っていこうと思い「空の駅風和里」へ。意外といっては失礼だけど、ここで売られているお米がなかなかおいしいので、小さいものを購入。ブレンドしていないからおいしく感じるのかも。

 

この3日間有意義な時間を過ごしたなぁ。

いつも家に閉じこもり気味なので、いい気分転換ができた気がする。

3日間快晴だったことに感謝。

今日の散歩(六本木→淡路町)

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本日のルート

六本木→東京ミッドタウン→赤坂→日枝神社→国会議事堂裏→国会議事堂内見学→国立国会図書館国立劇場半蔵門→麹町→千鳥ヶ淵科学技術館→武道館→九段下→神保町→小川町→淡路町

 

朝起きるとすさまじいほどの快晴。

昨日のお出かけで疲れていたものの、それを吹き飛ばすような快晴。

どこかへ出かけねばと思ったところで、昨日の帰り道に東京ミッドタウンを見かけたことを思い出した。

「そう言えば東京ミッドタウンって行ったことなかったよな?」

見学を兼ねて六本木へ出かけることにした。

 

初めての東京ミッドタウン。色んなショップが入っている施設かと思ったら、ベースはオフィスとホテルだった。

場違いであることは重々承知だけど、恐るおそる入ってみる。

まぁなんてハイセンスでございましょう。最近の施設はすごいなぁと感嘆しきり。と思ったら10周年らしいことが判明。自分の生活のベースからかけ離れた場所のため意識から消えてたこともあって、そんなに時間が流れていたことに驚き。

まだ時間が早かったこともあってか、オープンしている店がほとんどない。ある意味お上りさんの私にとっては救い。店の前でウィンドウショッピングをしていても、怪しいヤツと思われないで済んだから。

 

デパートなんかにも入っていないお気に入りのブランドの店があった。「あぁ、こういうところのテナントには入るんだなぁ」と少し驚き。

 

ショッピングエリアは木調がベースだが、何となく木の匂いがするのは材質なのかそういった匂いを空調でコントロールしているのかは分からないけれど、何となく居心地が良い。こういうシチュエーションを演出するところもセンスが良いなと。

店がまだ閉まっていることもあって人は疎ら。どのような客層なのか人間ウオッチングしたかったのだけど、それはあきらめてそうそうにミッドタウンを後にした。

広場側に出るととてもきれいに整備されたエリアがあった。周辺の案内図を見ると区立公園のよう。「えぇ!」と驚き「さすが港区」と思ったら、そこはまだミッドタウンの敷地だったようで、しばらく歩くと区立公園らしい公園が。少しほっとした。

 

ゆるやかに坂を下って赤坂へ。前回赤坂を歩いた時にも思ったのだけど、TBSの入り口付近にある家って頑張ったんだろうなと感慨深い。

TBSの隣にあるBizタワーに寄ってみた。飲食店がほとんどで時間が早かったせいかここも開店前の店が多く人も疎らだった。特段気になるものもなかったため日枝神社へ向かう。

 

日差しがとても強く焦げそうになりながら、日枝神社エスカレータで上る。歩こうかとも思ったけど、せっかく文明の利器があるのだからと、ありがたく使わせてもらった。

基本的に文化には興味があっても宗教には興味を持てない性分なので、何か面白いことはないかなと物色?していると、車のお祓い?をするあたりの奥に階段を見つけた。ちょっと怪しげな階段だったので、そこを下りることにした。結果的には特質すべきことはなかったのだけど、階段の中腹に家らしきものがあって、下りきったところで何かの店であることが判明。場所が場所だけに高級店なのかな。入口付近は一見さんお断りの雰囲気がすごくするところだった。

道路にでると”日比谷高校”の文字。このあたりって千代田区なんだと初めて知った。起伏のある土地=高級のイメージがあるので、こんなところにある高校って贅沢だなぁと感嘆しきり。

 

どこに行こうか地図を確認すると国会議事堂が近くにあることが分かったため、そちらへ向かう。

こんどはかなりの上り坂。少し気後れしながらも登りだすと両脇に近代的で大きな建物があった。何だろうと調べると議員会館とある。国会議員一人ひとりに事務所?が与えられているのか分からないけど、とても立派な建物だった。あの傾斜地によく建てたものだとこれも感嘆する。

坂を登りきると見えてきました国会議事堂。「あぁこれがあの!」よく分からない言葉が口を衝く。

信号待ちをしていると警官の数が多いことに気が付いた。しかもみんな目つきが悪い怖い。「まぁ、場所が場所だけにしかたないか」と思いつつ、すごすごと通り過ぎる。何かあってからでは遅いのだろうけど、ものすごく怪しい人と認識されていたかも。散歩していると思われる人もほとんどいなかったし。

国会議事堂の塀の上には電気ショックをあたえるかのような線が張られていることに気づく。イノシシ除けににているので、きっと触れると危ないのかななどと予想。

地形的にも国会議事堂があるあたりが一番高い場所かと思われた。大体昔から権力のある所は物理的に高いところというイメージがあるため、ここもか!と納得。

正面玄関から見てみたいと思い回り込む。警備する警察官の厳しい視線を浴びながら正面玄関にたどり着くと、なぜか一般人らしき人が中に入っていくのが見える。何だろうと近づいてみると、どうやら見学ができる日らしい。これはすごい!と早速入ってみた。

 

何と正面の入口が開いていて、そこから議事堂内に入れるよう。

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この玄関って、天皇陛下とか議員の初登院とかの時しか使われないはず。

こんな下々のモノが、こんなところをくぐっていいのかとドキドキ。

中に入ると吹き抜けの重厚なエントランスがあって、そこに3人の議会政治の立役者が立っていた。確かに1つは空席となっていて感慨深い。

今回は参議院の見学らしく、正面に向かって右側へと誘導された。

噂の赤ジュータンは思ったよりもフカフカ感はなかったものの、作りがしっかりしているようで、ヘタリ感がない。各部屋のドアは重厚感があって時代を感じさせるものだった。中は外観と同じく石造りのため改修工事は難しそうで、現在必要となるであろうPC系の配線など、メンテナンスが大変だろうなと思う。

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テレビでよく見る第一委員会室は思ったより小さかった。そして本会議場にも入れたのが嬉しかった。

 

私が小学生の時、社会科見学で都内を巡る時に興奮したせいか当日知恵熱を出して、参加できなかったことを思い出した。あれからずいぶんの時間を経たけど、今日取り返すことが出来て感慨ひとしお。

満足して外に出ると、テントでお土産らしきものが売られていて、よく観光地などで売られているようなものが並んでいたけど、あの収益ってどこに行くのだろう?

 

国会議事堂を後にしてどこに行こうか決めかねていたところ、付近の案内図があり見てみた。すると国会図書館がすぐそばにあったので寄ってみることにする。

案内板をみると入場には登録が必要らしい。入場しても本が並んでいるわけではないから登録はせずに雰囲気だけ確認。中に入ってみなければ何も分からないのだろうけど、何か敷居が高い気がして、そうそうに退散。閉架でも見られるなら登録したけど。

 

皇居方面へ歩いて246を渡ると最高裁判所を発見。一生縁がありませんようにと呟きながら通り過ぎると国立劇場があった。国立劇場って何?と確認に行ってみると伝統芸能を催すところのよう。聞いたことがない出演者&演目だったけど、チケット売り場には売り切れの案内。こういう分野も勉強しなければなぁと思いつついつになることやら。

 

また、地図を確認。”半蔵門””麹町”の文字を発見。「都内であっても縁のない地域だよなぁ」と思い歩いてみることにする。

”麹町”って名前からして、歴史のありそうな地名だけど、それらしいものは発見できなかった。大小のビルが連なっていて、どこが麹なのか分からなかった。

なんとなく見かけた不動産屋の物件紹介を見ると110㎡で月65万円とある。築浅物件のようだったけど、凄いところだと改めて認識。さすが千代田区

 

次なる目標を定めるべく皇居方面へ戻ると立派な高台にある敷地があった。こういう高台にあるところって威厳のあるとこだよなと地図で確認すると英国大使館とのこと。

最高裁判所国立劇場・英国大使館、そして目の前は皇居。何となくこのあたりは国の支配地域なんだなぁと思った。

 

何となく千鳥ヶ淵方面へ足が向く。皇居の周りをたくさんのランナーが走っていた。休日にわざわざ皇居あたりまで来て、排気ガスがたくさんの場所を走らなくてもと思うけど、間違いなく大きなお世話でしょう。

不思議に思ったのが何故か皆さん反時計回りなこと。あれだけの数の人がいれば反社会的?な人がいても不思議はないのに、一人も見かけなかった。

土手に上がり北の丸公園を目指す。すぐに下りざるを得なかったけど。

 

北の丸公園の入り口付近で首都高の上を渡るところがあった。一般的に高速道路の上って、何か投げ込まれないように結構厳重にガードしてあるけど、ここは普通の橋で悪意があれば簡単に酷いことができそうなところだった。へぇと思いつつ園内へ。案内板に科学技術館の文字を発見。前々から一度は行ってみたかったところ。少しのぞいてみようかと足を向けた。

 

こども向けの施設?なのかな。入館しようかと迷ったがけど結構足に来ていて、のんびり見て回れるほどの体力がないなぁと感じたため次回に持ち越すことに。でもせっかくなので売店を物色してみた。

結構面白そうなものが揃っていて、実験系のものは買って試したくなるけど微妙に単価が高いのであきらめる。ただ宇宙食なるものがあってフリーズドライのためとても軽かったのでエビピラフを購入してみた。チーズケーキとかデザート系のものまであって、これには驚き。実際に宇宙に持っていっているのかなぁ?

 

もうダメ足が棒のよう。科学技術館をでたところでベンチを見つけて休憩しながら軽く足をマッサージ&ストレッチをした。

距離にしてどのくらい歩いているのか分からないけど、普段怠惰な生活をしている身としては立ちっぱなしがとてもつらくなっていた。竹橋から地下鉄に乗って帰ろうかと思ったけど、まだ昼食を取っていないため意を決して歩き出した。

武道館が見えてきた。何かのコンサートがあるらしく中から音が漏れ出していた。時刻は午後2時過ぎ。何時から始まるのか分からないけどファンらしき人たちが多数集まっていた。時間と場所の共有が嬉しいのか楽しいのか、そんなところかと邪推しながら通り過ぎる。田安門を抜けて九段下へ。

 

久しぶりの九段下。学生時代を思い出す。「このあたり良くうろうろしてたよなぁ」と感傷に浸りながら歩を進める。神保町の古書店は相変わらずだった。前から不思議だったけど、あの古書店って小売りだけで商売が成り立っているとは思えなくて、どのような仕組みなのか興味があった。

 

既に足が痛い。どこかで昼食兼休憩を考えてみるもジャストフィットする店が思い浮かばない。ボンディの前を通り過ぎた時に「行ってみたいなぁ」と思ったけど、今の私に一人前が食べられるハズもなく通り過ぎる。白山通りを右に曲がりスズラン通りを入っていく。「あぁ何て懐かしいのでしょう!」幾年も経つのに当時の思考とか感情が蘇ってきた。視覚によって記憶が呼び起される。郷愁の基本パターンなのかも。

ようやくおひとり様でもウェルカムの店を見つけて滑り込む。「あぁツカレタ!」やっと一息ついた。

もう疲れてしまって、郷愁に浸れる余裕がなくなっていた。もっと休憩をこまめに挟みながら散歩すればここまで疲れないのにといつも後から思うのだけど、つい日常では目にしないものに惹かれて彷徨ってしまう。まぁいいか楽しかったし。店を出たら今日はこれで終わりにしようと決めた。時刻は午後3時を過ぎていた。

 

この後小川町の入り口から地下に入り淡路町まで歩いて今日の散歩は終わり。

 

 

 

 

草間彌生展『我が永遠の魂』&ミュシャ展『スラブ叙事詩』を見てきた

そう言えば、国立新美術館草間彌生ミュシャ展がやっているんだなぁと気付いたのが3月頃だったかと思う。早く見に行かなくちゃと思っていたものの記憶の片隅に追いやってしまっていた。

ふとしたことで思い出し、いつまでだったか検索すると、なんと草間彌生展が日曜日までだと判明。

それが昨日のこと。

慌てて今日出かけることとなった。

 

まぁ始まってからずいぶん経つし、今日あたりなら空いているだろうと乃木坂の駅に降り立つ。

改札を抜けると前売り券?が売っていた。

普段こんなところには来ないんだろうなぁと思わせる人たちが20人ほど並んでいる(私がその最たる人だけど)。「こんなとこで慌てて買わなくても今日あたりは空いているからチケット売り場で買えばいいのに」と思い横目で見ながら地上へ出た。

 

「はぁ?」

 

チケット売り場が長蛇の列。

 

慌てて先ほどの前売り券売り場に戻ろうと思ったけど、それもなんか悔しい。

 

なので、仕方なく列に並ぶ。その長さおよそ50メートル。

 

並びながらも、やっぱり明日朝一で出直そうかと悩むも、自分の出不精(デブ症ではない)を知っているだけに「ここは我慢」と自分に言い聞かせて耐え忍んだ。

ようやく売り場の窓口に到達すると、

 

「はぁ?」

 

草間彌生展は入場40分待ち&ミュシャ展は入場20分待ちの表示がモニタに。

 

ここまで並んでしまったので、やめる勇気もなくチケットを両方購入。購入時にお姉さんが発した「購入後の払い戻しはできませんがよろしいですか」の言葉が胸に刺さった。

 

草間彌生

どちらを先に見るか考えながら入場。あまりの人の多さに慄きながら状況を把握すべく1階で開催している草間彌生展の列を探す。

 

「長い!」

 

すでに日曜日のディズニーランドの人気アトラクションの順番待ち状態のように列がうねうねしている。

これを見た瞬間「本当にこれに並ぶの?」と思い、心が折れかけたため、冷静な判断をするべくアップルジュースとりんごパンを購入し食す。確かにテンパっていたのだと思う。りんご✕りんごの組み合わせだったことに後から気づいた。

 

一息ついたところで、意を決して列の最後尾を探す。

 

「どこ?」

 

最後尾を探す。

 

「どこ?」

 

最後尾を探す。

列が外につながっていることを確認。

 

「はぁ?」

 

一息ついたこともあって気力がまだ続いている。

最後尾を探す。

 

「どこ?」

 

永遠と繋がっている。まさに本展のタイトルのよう。

 

「あった!」

 

おそらくその列のトータルの長さは200メートルくらいあったように思う(チョット大げさ?)。

 

どちらを先に見るかの確認のつもりだったが、列の最後尾を探すだけでエネルギーをかなり使ったので、そのまま並ぶことにした。

列は長かったが思ったよりも進みは早く、入場までは確かに40分ぐらいだったかもしれない。ようやく会場へ入った。

 

「おおっ!」

 

圧巻だった。

 

見たことも無いような展示方法で、思わず息をのんだ。

一面の新作(私にとってだけど)が、あの広い会場を埋め尽くしていた。

 

「すごい!」

 

テンション上がりまくりになった。

 

 

芸術の才がまったく無い私だけに、何に惹かれるのかが言葉にできない。

ただ感じるのは「切なさ」。

人それぞれ感じ方が違ってもいいのだろうけど、私にとっては「切なさ」なのだろうと思う。

 

ミュシャ

あまりの人の多さに軽い人酔いを感じたため、一度外に出た。

制服たちがかぼちゃの前で記念写真。

修学旅行で美術館なんて洒落てるなぁとその姿を眺めながら、自分の幾年前のその当時に思いを馳せた。

 

体制を立て直し、いざミュシャ展へ。

20分の列を覚悟しつつ2階へ上ると列がなかった。

「助かった」と思いつつ会場へ。

そもそも今回のミュシャ展がどのような展示をしているか調べもしないで出かけたため、ここでも思わず感嘆符。

 

「おおっ!」

 

リトグラフ以外のミュシャの絵を見たことがなかったため、まさに度肝を抜かれた。

恥ずかしながらミュシャが油彩をやっていたことさえも知らなかった私にとっては、とても大きな驚きだった。

 

晩年の作品であることから、仕事としてでなく表現したかったものだったのかも知れないなと勝手に解釈してみた。

 

すごいと感じたのが、壁画の下絵とされているものだった。線の使い方が絶妙かつリアリティを感じるもので、これがあのような絵の下書きになるのかと思うと、そのつながりがイメージできなかった。右下に描かれた女性の目が忘れられない。なぜかピカソが14歳の時に描いたとされる絵を思い出した。

 

それと、彫刻があったのだけど、不思議なもので「あぁミュシャの作品だなぁ」と思わせるものだったこと。この彫刻を見た時に思い出したのは、綺麗な字が書けなかった私が、初めて英語の授業を受けた時に「アルファベットならきれいに書けるかも」と淡い期待を抱いたこと。絵と彫刻で表現方法は違うのに「通じるものがある」もしくは「通じてしまう」ことが興味深かった。

 

 

それにしても疲れたなぁ。

『勇敢な日本経済論』を読んでみた

タイトルに惹かれて手にした本だったけど、読んでみてタイトルと内容がどのようにリンクしているのかは理解できなかったのは私だけ?

 

高橋洋一さんと山口正洋さんの共著だが、山口正洋さんはこの本を知るまで存じ上げなかった。

 

高橋洋一さんの主張は、他の著書でも述べられているとおりで、この本だからこその新しさは感じることはできなかった。本書の内容についても対談形式となっていることもあり、正反対の意見のぶつけ合いはなく、どちらかと言えばお互いの意見を補完し合う内容だったよう。

 

 

個人的にだけど、国の主導による地方の活性化って、まったくもって無意味だと思っていて、この点については著者の2人も同じ主張っだったことが少しだけ嬉しかった。まぁこの2人は、どこかに依存して生きていく必要のない人達なので、言いたいことが言えるのだろうけど、同じ感覚を持った人がいることが分かって救われた気分。

 

 

定義できる正しさなんてものはないんだろうけど、この本の主張することってたぶん正しくて、端的に現状を表している気がした。

まぁ既得権益者は猛烈に反発するだろうけど。

ある意味リトマス試験紙代わりになるのかな。

テレビ局の行方(フジテレビ社長交代に思う)

最近のテレビを見ていて思うことが、「ネットの動画を使う番組増えたなぁ」ということ。

確かに、「ネットではこんな面白い動画がありますよ」といったリサーチ結果の紹介という側面があるのだろうけど、本来の面白いもしくは興味深い番組の制作能力が無くなってきたのかなと感じる。または、能力はあっても製作経費がないのか。

旅番組や料理番組を見てて特に感じるのが「番組自体が広告じゃないの?」ということ。そもそも民放はCMの販売で成り立っているのだろうけれど、番組で紹介される宿泊施設などから紹介料?を取って番組を作っているのではと思われる番組も見かける。

また、経済番組などでよく見かけるコメンテータも、所属会社のポジショントークではと思わせる発言をしているような気がする。そもそも経済の行方なんて誰にも分からないはずなのに、未来に対するコメントを求める方にも無理があるとは思うけど。

こんなことをフト感じたのはフジテレビの社長の交代というニュースを見たから。

数年前にフジテレビと堀江貴文さんの戦いがあったけど、今から思えばあの時が一つの転換点だったなって思う。もっと言えばテレビ局は転換点にしなければならなかったかと。

タラレバ言っても仕方ないけど、あの時から堀江さんがテレビ放送に対して何らかの影響力を発揮していれば、今の放送業界もかなり違っていたのではないのかなと思う。

既得権益保護の代表みたいな業界だから新しいメディアを受け入れられなかったのは分かるけど、最近のコンテンツの貧弱さには目を覆いたくなるばかりだし。

そう言えばあの時にフジテレビに手を貸したSBIグループは今の現状をどう感じているのだろう。今回のこのニュースに対してどこかのメディアが取材してくれないかなぁ?自分の首をしめるような取材はしないか?

 

そうそう、全然タイトルと関係ないけどNHKが受信料取ってバラエティ番組をやるのが個人的には納得できない。

『経済大変動』を読んでみた

 伊藤元重さんの著書は、私のような一般人でも分かるように言葉を選んでくれていらっしゃるのでとても読みやすく比較的理解も容易なため、書店で見かけると購入する機会が多い。

基本的に現在の日本における経済政策のメインフレーム的な主張をされているので、現政権とも親和性が高いのかと(逆か?)。

 

書店で経済コーナのあたりに行くと危機感を煽るようなタイトルの本が目につくのだけど、現状の否定ばかりで対案的な主張がないものが多いためあまり手に取ることがなく素通りしてしまう。本来ならそういった書籍も読んでみて、自分なりの糧とした方がいいのかもしれないけど。

 

読んでみて思ったのが、技術や学術は確実に進歩していくだろうけど、新しい軋轢や問題が生まれることで衰退する部分もあるということ。いつの時代もうねりがあって、そのうねりにうまく対応していく知力・能力を持っていればチャンスを掴めるのかなって。

恐らくこの本は、そのうねりの振幅が大きくなる可能性があるよってことを伝えようとしてくれているものと思った。うねりが大きいってことはチャンスも大きいはず?