『リフレはヤバい』を読んでみた

双日の吉崎さんとマネックスの広木さんのブログで「小幡績」の名前が出てきたので興味を持ち読んでみた。

 

正直なところ、最初に著作を検索したときにありえないようなタイトルが出てきたので、「なんじゃこりゃ?」と思い読むのをやめようかと思ったのだけど、尊敬する両名から出てきた名前なので、意を決して読んでみた。

 

前半は、やはり「これはチョットなぁ」といった内容で、読むのがつらかった。

世論の醸成には反対意見も大切なので、その役目を買うために上梓した本なのかなとも思ったのだけど、力に対して何でも反対する人からお金を巻き上げるための本なのでは?なんて邪推してしまう内容。

 

けど、最後の最後になって、著者の言いたいことが分かって、ホッとした。

 

恐らく、この本の言いたいことは、

・日本はもはや韓国や中国のように、成長を原動力に国力を増していく国ではない。

・なので、これから成長する国に投資をすることで、その上がりを元に国力をつけるべき。

・そのためには強い円でなければならない。

と、言うことなのだと思う。

 

確かに、これからの日本は人口が減少していくことから、積極的な移民政策をしない限り国内の需要は伸びないのだから、内需で成長することは難しいはず。

そして、これからまだまだ成長するであろう韓国や中国を相手に競争するには、国力が減少していく日本では、どんなに頑張っても無理があるので、外需頼みは危険だということも分かる。

なので、これからの日本が伸びていくためには、すでに投下した資本の有効活用とこれから投下する資本の効果的な運用が不可欠であるとの結論は、なるほど!とうなずくことができた。

 

今のアメリカが、その手法で大きくなり、現在もその力を増しているのは分かるのだけど、今の日本でそれを実現するためには、

・まっとうな政治家の擁立

・まっとうな政治の確立

・まっとうな思考力を持った有権者を育てる

・グローバルな舞台で戦える経営者を育てる

この辺のことが必要になってくるはず。

 

これって、どう考えても無理があるよなぁって感じてしまうのが実際のところ。

 

著者の主張には賛成するところもあるけど、現状の日本でこの本の主張を展開するのは結構大変なことなのでは?と、考えさせられた一冊でした。