『ムカシ✕ムカシ』を読んでみた

面白かった。

私にとって、以前から考えていたことに近いことがモチーフとなっていたこともあって、とても興味深かった。

 

いつぞやのネットの記事に、タレントのタモリさんが戦争の起こる理由についての見解を述べている記事があった。記事の出典まで確認しなかったので、本当にタモリさんが述べたかどうかは分からないけど、「そういう考え方もあるのか」と思った。

ネットでは、その記事に対して概ね肯定的であり、多くの人の賛同を得ているかの印象を受けた。

 

そもそもアイデンティティなるものが人間だけにあるものなのか、その他のモノにもあるのかは分からないけど、これがクセモノだと私の認識。

社会性を営むことにより芽生えた概念なのか本能なのかは分からないけど、現時点において人間に根付いている事実を鑑みれば、必要な要素だったのかなと認識している。けど、私自身所属意識がとても薄く、社会から外れたところで生きているので、感覚でとらえているだけなんだけど、それが私のアイデンティティと言えばそうなのかもしれない。

 

このアイデンティティというものは個人に根ざしているのみでなく、家族単位で醸成されたり、村・町・県・地方・国・会社・宗教・人種・イデオロギーといった社会の構成単位で生まれると考えていて、各構成単位ごとにおけるアイデンティティの対立が争いに発展していくのだろうというのが私の考え方なので、「好き」という感情によるものが戦争を生むという表現にあまりピンとこなかった。

 

現在ある争いごとの原点って、アイデンティティを守ることに由来しているものがほとんどと言ったら言い過ぎなのかなぁ。

 

そんなことを思い起こさせる一冊だった。