『国家の矛盾』を読んでみた

新潮新書 自民党高村正彦✕国際政治学者三浦瑠麗さんの対談本

 

いつだったか最近のことだったけど、テレビをザッピングしているときに政治を語るイメージにそぐわない人として三浦さんを見かけて「どんな話をする人なのだろう?」と興味を惹かれて視聴したのが三浦さんを知ったきっかけだった。

その番組は終了時間が近かったらしく見ることのできた時間は5分ほどだったけど

「天才が現れた」

が感想だった。

今まで見てきた政治家・学者・評論家とは一線を画す表現で核心をつく言葉に驚いた。この表現だと敵が多いだろうなと思いネットで調べると、やはりたくさん否定的コメントが。

よくあるパターンだけど、その多くが何かを貶める発言によって自分の優位性をアピールしようとする愚の骨頂なる主張ばかりなのはご愛敬。

わずか5分ほどだったけど、三浦さんのキレが伝わってくるには十分な時間だった。

居ても立っても居られずに、近くの書店へ出向いて購入したのがこの本だった。

 

自民党の高村さんとの対談本だけあって、内容的には自民党の主張が色濃く出ているところは仕方のないところ。ただマスコミが手抜きをして報道しない、自民党が本来言いたかったことはきちんと表現されていたかと思う。

残念なのはマスコミに踊らされる人は、そもそもこの手の本を手にすることはないだろうし、手にする人は本質を理解しているだろうと思われること。ただ「はじめに」と「おわりに」にあるように、今回の安保法制の道筋について自民党側からみた記録としての価値は十分にあったかと思う。

 

本文は意外にも表現豊かで、「良くこの言葉を載せたな」と思わせる部分も多々あり、結構面白かった。校正段階でかなり気を使ったのでは?と感じる。

 

本文に関することをここに載せるのは良くないことと理解はしているけど、これからは不利益の分配の時代に差し掛かっているという言葉に唸らされた。