『生涯投資家』を読んでみた

人って年を取ると丸くなるって言うけど、そうかも知れないなぁって思ったのが読後の感想。

書店で手にしたとき1,700円✕税という値段が「チョット高いなぁ」と思ったのだけど、結果的に「安い買い物だった」と思わせる内容だった。

結構売れているみたいだけど、恐らく購入した人って著者に対して肯定的な人だろうし、本来著者が主張したいであろう層は手にしないだろうなと思う。

そもそも書籍って、新しい読者層を獲得するためには不向きなメディアだし、だからこそ何らかの形でeコマースとの融合は必要かと。

 

 

著者の村上世彰さんもそうだけど、堀江貴文さん、佐藤優さんなど、2000年以降に多くのバッシングを受けるとともに時代に飲み込まれていった人たちが最近になって復権?してきていることを、少し嬉しく思う。

 

今から思えばあの時の風潮は異常だったと思う。もちろん今の時代においてもマスコミが扇動する(先導するでもいいか)劇場型の世論の形成には目を覆いたくなることばかりだけど、世間から2σ3σあたりに生きている人たちをやり玉にあげて、叩いて叩いて叩きまくる風潮に戦慄を覚えた記憶がある。

差別を題材にした報道がなされることがあるが、あの時も一つの差別だよなぁと感じていた。

 

ひとつ間違いのないことは、3人とも本質をついた発言をしていたこと(本当は正しい発言と言いたいとこだけど)。世間を誘導している2σ3σあたりの人にとって都合が悪かったのだろうけど。

でも、逮捕までするか?とあの時は強く感じた。

 

結局3人の逮捕によって得るものがあったのだろうかと思うと、あったのではないかと感じる。3人とも当時より自由な環境に身をおいていらっしゃって、1σあたりを生きている人たちにとって大きなインパクトを与える活動をしているように思う。

ただ、その代償としても逮捕という事実は大きすぎるかと。

 

今回の出版は村上さんの意地だったのかなって思う。

あれだけ叩かれて逮捕までされても信念としてアピールしてきたことを形として残すとともに、閉塞している社会に対してその信念が新しい時代に必要なファクトであることが伝えたかったのだと感じた。