『天空の矢はどこへ?』を読んでみた

小説という形をとっているけど、エッセイとして読むと非常に面白いな。と、言うのが第一印象だった。

 

人という概念を、予測される未来の環境から捉えた作品とでも言えば良いのかな。

うまく言えないけど。

 

ワタシにとって人間とは(そんな大上段に振りかぶる必要はないのだけど)、生物の一種であって、遺伝子が未来へつながれていくための媒体の一つだと思ってる。

 

なので、人間が生物界の頂点だとか、そんな認識は全くなくて、この本に出てくる

「上」の概念は人間特有のものだし、人間のアイデンティティのひとつと言っても過言ではないと感じている。

 

遺伝子からみれば、人間を含めた有機体って、ただの媒体に過ぎないのだから、人間が言うところの「上」の概念を持ち出すならば、遺伝子は人間より「上」ということだよね。

 

そう考えると、人間がよく議論(議論なのかな?)する題材の「愛」とか「正義」とかって、まったく意味をなさないものだし、上である遺伝子からみたら、滑稽な動き(状態?)なんだろうなって。

 

 

そうなのよ。

個人とか社会とかの概念って、人間が作り上げた幻想に過ぎないのだから、そこにとらわれずに自由にすればいいのさ。

すべての行動は、結局のところ滑稽なのさ。

 

 

とは言いながら、社会の枠にとらわれてしまうのも、人間としてのアイデンティティの一つだよね。

そうした認識を持ってしまうのも、遺伝子の仕業なのだけど。

 

 

なんて、ことを考えてしまった一冊だった。

トランプ大統領の思考回路

以下、何かを調べたとか検証したとかではないので、あしからず。

 

おそらく、彼の一番の興味は自分の人気であって、国家とか国民とかをどのように導くといった本来業務に関することは、あまり興味がないように見受けられる。

 

アメリカのテレビ業界で人気があったということなので、視聴率をとる手法は把握しているのでしょう。

 なので、今の自分の地位を維持するには、どのようなことを言って、どのようなベクトルを示せば、ある一定数の支持を集められるかの感覚には長けているはず。

そもそも、全体からの支持を集めることは不可能だし、考えていないと思う。

大切なのはコアなファンを維持することと、浮動票を確保すること。

 

その結果出てくることは、いかに派手なパフォーマンスをするかにかかっていて、その言動や施策によって実際にどのような影響を及ぼすかは、二の次になってしまうのは周知のとおり。

 

事実、北朝鮮との会談の結果などは、既に興味を失っているはず。

この後、もし想定外のことが起こったとしても、それは官僚の不手際として処理すればいいだろうし、そうするでしょう。

貿易戦争についてもそう。

結果的に、アメリカに被害が及んだとしても、それは官僚の交渉がダメなだけであって、万が一うまくいけば自分の手柄にすることは想像に難くない。

 

 

自分の人気を一定数確保するための手腕については認めることができるし、ある意味日本の政治家も学ぶべきところがあるようにも感じる。

ただ、そのやり方は、テレビを見て喜ぶある一定の知識層や所得層を取り込むやり方であって(日本の野党にも言えることだけど)、この、ある一定の層のボリュームが恐らく一番多いので効率的なのだと思う。

 

批判を承知で言うならば、残念ながらこの一番のボリューム層は、生産的ではなく効率的でもない場合が多いように観察される。

 

当然、そういった層の支持によって、大統領という職についているのであれば、でてくる施策は、しかるべき施策になってしまうのは言うまでもない。

 

結局、チャーチルの言うところにつながってしまうのだけど、これが民主主義なのだとすれば、あきらめなくてなならないのでしょう。

 

ただ、この仮説が有効だとすれば、トランプ大統領の思考回路は決して意味不明なものでなく、すべてが自分の人気取り&ある一定層のポピュリズムに繋がっていると考えることができるので、この先の言動や指向がある程度予測できるのかも知れない。

 

 

なんてことを考えてみた。

『働き方完全無双』を読んでみた

日本人って「べき論」に囚われた行動をしがちだから、そこを原点に立ち返って本来自分はどうしたいのかを、そのためにはどうしたらいいのかを、今一度考えた方がいいのではという提案がちりばめられていた。

 

著者自身が朴訥な人だから(ワタシの印象)、表現に言葉が足りないところがあるけど、本筋を衝いているところは面白かった。

 

コワイのは、こういう本当のことを表現してしまう人って、何らかの理由で何故か逮捕されるということ。

まぁ、本人は今日本にいないので、そんな心配はいらないのだろうけど。

もしかしたら、身の危険を感じて、海外にいるのかな?

 

面白かったところ(ワタシのメモ)

・オブジー

・Googleの採用

キューバ

マーライオン

・日本のホテルが安い

バーニングマン

 

よく、非正規雇用の雇止めや高プロが問題視されているけど、そもそも問題となるような働き方をさせる会社なんて、とっとと辞めるべきだと思うのだけど、なんでそれが問題になるのかが不思議。

非正規の雇止めなんて、そんな会社を信用してしまった自分のミスだと思うのだけど。

だいたい、そんなことをする会社に留まること自体が問題なのではないのかなぁ?

 

モリとカケばかり食わされる身にもなって欲しい

もー、食傷気味です。

 

それが国民のタメだと思っているのなら、国民をバカにしすぎです。

『ψの悲劇』を読んでみた

物語の時代背景が違うのだろうけど、前作のΧの悲劇から近未来的に舞台が設定されてて、イメージとしてはWシリーズの前段あたりを表現しているのかなと、勝手に想像。

 

Wシリーズもそうなのだけど、読んでいて強く感じたのが、最近(最近でもないか)とても注目されている落合陽一さんが言うところの、デジタルネイチャーの世界観とオーバーラップするなぁということ。

 

そもそも思考自体が電気信号で、その回路が過去の経験によってある程度決まってくるなら、プログラムにある程度の揺らぎを加味することで、機械にも人間と同様な思考ができると考えることはとても自然なことだと気づかされる。

 

現実とヴァーチャルの境目が無くなるなんて表現があるけど、そもそも境目が必要なのか?と根源的なところがあって、リアルとかヴァーチャルとかって言葉が死語になる日が来るのかも知れない。

個人的には非常に興味があるけど、それが実現するまでは生きていられないだろうな。

 

ひとつ危惧されるのは、人とコンピュータの融合(他に言葉が見つからず)について、生理的に受け付けない人が多数出てくるだろうなと想像できること。

融合が実現する過程において、そういった人たちが研究の邪魔をしない社会になって欲しいのだけど、その抵抗は「リアル」の断末魔かも知れない。

 

なんてことを感じた本でした。

『僕ならこう読む』を読んでみた

タイトルから得る印象と、実際に著者が意図したものとギャップを感じた本だった。

決して否定的なものでなく、さすが佐藤優さんの著作だなという印象。

 

タイトルからしたら、読書術みたいにとれるけど、確か他作で読書術系の著作はあったはずなので、同じような執筆はしたくなかったはず。

 

とても強く感じたのは、人の弱さであって、それをどのように認めて、どのように対処するべきかを伝えたかったのかなってこと。

思い浮かんだ言葉は

シャーデンフロイデ

ルサンチマン

 

最近の風潮だと、この2つの言葉って、あまり良い印象でつかわれないのだけど、ワタシが感じたのは、この言葉の意味するところは人にとって不可分なのだから、それを認識したうえでどうするべきかを、きちんと考えて行動することが大切なのだということ。

 

坂口安吾堕落論が紹介されていて、検索したら無料で配布されていたので、即DLしたところ。

まだ、チョットしか読んでないけど、結構ココロつかまれる表現に惹きこまれた。

 

 

残念ながらワタシの脳は、一度読んだ本の内容をきちんと記憶できないので、手元においといて、何度か読み返したいななんて思わされた本だった。

『円高・デフレが日本を救う』を読んでみた

先日の『リフレはヤバい』を読んでみたに続いて、同じ著者の2冊目。

 

やっぱり、最初(ほぼ前半部分)は、「何言ってるのかなぁ・・・」と言った内容だった。

ただ、前回読んだ本で、著者の言いたいことは何となく理解できていたこともあったので、後半部分は「なるほどぉ!」と考えさせられる部分も多かった。

 

もしかしたら、ワタシは騙されているのだろうか?と、自分で自分をツッコミたくなるのだけど、吉崎さん・広木さんあたりから名前が出てくるぐらいだから、あながち(誤用)賛同できる部分があってもいいのでは?とも思う。

 

根底にある考え方は「リフレ~」とほぼ同じ。

いくつか面白い(あぁ、そうだよねと思ったところ)は次のとおり(ネタバレ注意!)。

・国の借金を否定するものではないが質が悪い。

・質の高い労働力が不足している(イノベーションを起こせる人材がいない)

景気対策既得権益を守ってしまうので、新陳代謝によるスパイラルアップが望めない

・日本は成熟経済なのだから、フローからストックの活用に移行すべき。

・国が景気対策を行ってもフローを生み出すだけで、国力となる投資を生み出す能力がないので一時しのぎの効果しかなく無駄である。

・現在の日本の雇用形態を抜本的に変革することで、フレキシブルな社会を生み出すことが必要(正規・非正規の区別をなくす。どちらかと言えばすべて非正規にする)

・通貨の変動に惑わされてはダメ。柔軟に対応できる企業が強い。

・利益は円換算で計るのは大きな間違い。

・フロー重視では、新興国との競争になるので絶対に勝てない。だから、輸出は知的財産や技術などのモノ以外にするべき。

・商品開発はその土地・地域のニーズに合わせるべき。その上で日本ブランドを活用する。日本で作ることが日本ブランドなのではない(アップルとシャープの対比)

 

 

この本を読んでみて思ったのは、有権者がアホであるという認識が抜けいてるということ。

 この本の主張を実現するためには、強力なリーダーシップが必要になるけれども、2017の都議選のように、ブームで都ファが躍進してしまうような有権者では、そもそもまともな政治家を選択できないので、強力なリーダーシップを発揮できる政治家を選べないというジレンマがあるはず。

この視点から見れば、現在取られている政策は、この辺を加味したうえでの政策であって、理想とはかけ離れたものであるのだろうけど、仕方なしに選択しているとも考えられる。

だけど、理想は理想として認めることで、新たな議論の素地にもなるのだから、小幡さんの主張を切り捨ててしまうのは、もったいないなというのが読後の感想。